最近のニュースからも、子供たちの体力の低下や、人間関係に関わるいじめ問題などがクローズアップされています。また、大人が気付かない部分でも、子供たちは悩み、ストレスを感じたり心の問題を抱えてることもあるようです。子供の現場に携わっている者にとって、非常に考えさせられる問題です。
大人もそうですが、子供たちひとりひとり、個性や性格、また育つ環境も違う訳ですから、良いと思われる答えが一概にその子にとって正解であるとは限りません。
おそらく、各ご家庭や、学校の関係者の方も、私たち以上に子供たちに接する時間が多い分、より多くのご苦労をされていると察することはできます。
そのような中、子供たちには、周りの環境を気にしすぎずに、スポーツを通じて自ら少しでも強く成長してほしいと願っています。
スポーツの良さは、私が説明するまでもありませんが、おそらくどんなスポーツでも、成功体験ばかりではなく、失敗の体験もするでしょう。
もちろん、成功体験がスポーツの面白さの根底にあるのは間違いありませんが、私は失敗の体験も重要と考えております。失敗をしたその瞬間は落ち込むかもしれませんし、仲間からもひどいヤジをとばされるかもしれません。
ですが、スポーツを続けられる子は、そこから気持ちを切り替え、自分で立ち直り、次にまたチャレンジしていくはずです。
おそらく、このような経験の少ない子は、日頃の生活でも、その1回の失敗だけで、必要以上に落ち込んでしまったり、立ち直りのきかない挫折感と捉えてしまうのかもしれません。場合によっては、そこから周りを含めて悪い方向へと流れてしまうのかもしれません。
身近なサッカーで考えてみても、試合を通して個人やチーム全体でミスなくプレーすることはほぼ不可能ですし、そのミスを引きずっていては、毎秒(コンマ何秒でも)展開の変わるサッカーでは、ますます状況が悪くなってしまいます。
野球で考えてみても、バッターは3割打てればすごいのですから、7割はミスをしているとも考えることができます。そこから自分なりの方法で気持ちを切り換えて、次の場面に向うのでしょう。
試合の重要度によりプレッシャーも違うでしょうが、その失敗の経験が、全力でチャレンジした結果であれば、その時点での自分の力が足りなかったと素直に認め、またそこから努力できれば、成長につながるのではないかと思います。
とはいえ、これも良い答えとは限りませんが、どちらにしても、何かに一生懸命になり、体を動かして汗をかくことは、それだけでもストレスの発散になります。
嫌なことがあったとしても、それを忘れられるような、気持ちの良い汗をかこう! と、物事を複雑に考えすぎないことも大事だと思います。
子供たちからのあらゆる口撃(くちによる攻撃)により、精神的にも強くなったコーチより(笑)。 | |