前回に続きまして、ワールドカップ論を勝手に展開させて頂きます。
86年のアルゼンチン対イングランド戦は、歴史的な背景からも非常に注目されていた試合となっており、02年大会でも同様に続いていたと思います。
そのような中、あの「神の手ゴール」が生まれました。当時マラドーナ選手は、試合後、ハンドを認めていなかったと思いますが、時が経ってからは、ハンドを認めたコメントを残しています。もちろんマラドーナ選手がすごかったのは伝説の「5人抜きゴール」をその後、さらに決めてしまったことですが…。
また、舞台と年代が変わりますがイングランドのプレミアリーグで、今回のワールドカップにも出場しているチェルシーのドログバ選手がハンドトラップの後、ゴールを決めて各方面から批判されたというプレーもありました。
どちらのプレーも、紳士の国であり、サッカーの母国とも言われるイングランドに関わるエピソードです。
そして、どちらの選手も、語弊があるかもしれませんが「ゴールと認められたのだから何が悪い?」と言うような発言をしていたと思います。ですが、フェアプレーを重んずるイングランドの方は、やはり許せないプレーと思うようです。
そこで、私は思うのですが、どちらの主張が正しいと言うよりも、これが正にサッカーと、その国の文化の違いであり、ワールドカップでは、その対決に面白さがあると思っています。
現代のサッカーでは、各国の優秀な人材は、隆盛を誇るヨーロッパのリーグに進出しています。また、経済的に余裕の無いリーグからは、選手達も自らの価値を高めようと積極的にヨーロッパリーグへの進出を狙っています。
その世界的な選手の流れの中から、ヨーロッパ的な洗礼されたサッカーが、世界標準となり、選手たちの質も高められていくのでしょう。そういう観点からも、ある解説者が「ヨーロッパ?1を決めるチャンピオンズリーグが、ワールドカップ以上に世界で最高の質の試合が見れる」という説にも、サッカーの質という部分については納得はできます。
ですが、果たしてサッカーファンは質が一様に高く、洗礼されたサッカーのみを楽しみにしているのでしょうか?
私としては、世界標準化されたサッカーよりも、その国の伝統を重視し、また、その国の文化や、人柄さえも見えてくるようなサッカーに魅力を感じます。そして、それを堪能できるのが4年に一度の祭典、ワールドカップであってほしいと勝手に願っています。もちろんクラブチーム単位でも、そのクラブの特長や理念までもが見えるチームを期待します。
そして、日本のサッカーは、いま世界でどのように見られているのでしょう…。日本のサッカーは、こうなんだ! と自然に体現されているような活躍を期待してます。
最終的には、指導現場に携わる関係者と、これからの環境によって決まってくるとは思いますが、やはり、一言でサッカー文化といっても、数年で出来上がるものは文化とは言えないでしょう。
このようなことは、今後何十年かかって醸成されるものだと認識していますし、大きな夢としてはSSSがその一端を担って行ければと考えております。
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